うたの☆プリンスさまっ♪に出会って

うたの☆プリンスさまっ♪に私が出会ったのは、大学に入った春、4月。

その頃、わたしは高校の頃から大好きだった、秋葉原に拠点を置く某国民的女性アイドルに夢中だった。

毎シングル大量にCDを買い、休みは握手会に行き、生写真を大量に集め、総選挙では中継に張り付き、推しの順位に一喜一憂していた。ちなみにその時推しはアイドルサイボーグと呼ばれていたツインテールの似合う彼女。ぜひシンクロときめき聞いてください…。

 

そんなアイドルオタクだった私と仲良くなった、大学で新しく出来た友人もまたオタクだった。

 

彼女が熱心に勧めてくれたのが、他でもない「うたの☆プリンスさまっ♪

オタクはオタクでも、実は全くアニメというものを見たことがなく、知っている声優さんも辛うじて山寺宏一さん、というレベルだった。その時の私は、こう思っていた。

「生身の人間のアイドルに、二次元のアイドルが勝てるわけがない。」

アイドルに勝ち負けもないが、日々握手会の売り上げや列の長さ、グッズの売上、総選挙の順位など、常に競い合い、比べられる世界で戦う推しを見てきた私は、きっと二次元のアイドルは皆仲良く歌を歌うだけの、お気楽な作り物なんだろうという想像をしていた。

 

そんなこんなで友人に強く勧められ、アニメ三期、マジLOVEレボリューションズの放送期間中だったが、とりあえず録画をし、まずはマジLOVE1000%から観ることにした。アニメを見る前に一通り11人のキャラデザインを見せてもらい、来栖翔くんがとても気になる状態でアニメを見始めた。

 

翔くんめちゃくちゃ声とリアクションでかいし、思ったより小さいしいじられキャラだったwうるさいwしかし可愛いw

というのが最初の感想(自分の過去ツイートに残っていた。)

 

心の中でツッコミを入れつつ、一期を見終わった段階で、友人がCDを貸してくれた。

その時、初めてうたの☆プリンスさまっ♪のそれぞれのキャラソンをフルで聴いた。

美風藍の声に一目惚れしてしまった。

まだ先輩が出てくる場面までアニメが進んでいないため、全くキャラの個性や背景がわからないのに、なぜかWinterBlossomを聴いた時、涙が出てしまった。

こんな切ない心に響く歌声を持った人がこの世にいるのかと。

 

ここからはもう駆け抜けるようにマジLOVE2000%を観終え、マジLOVEレボリューションズをリアルタイムで観られるまで追いついた。

ST☆RISHがひたすら可愛くて愛おしかった。マジLOVEレボリューションズで寒色組の可愛さに目覚め、しばらくORIGINAL RESONANCEばかり聴いていた。

 

絶賛二次元の沼にはまってしまった私は、同時期にリリースされたあんさんぶるスターズ!や、Free!やハイキューといったスポーツアニメにも手を出すようになっていた。その時期に初めてPSPゲームで音也の√をプレイし、あまりのしんどさに病んだ。(その後に那月√でも病んだ。)

乙女ゲームってこんなにしんどいの?と思った。

 

そして、私のうたプリ人生が本格的に始まる出来事とも言える、プリライ5th当選。

完全にビギナーズラックだった、私のうたプリ人生のピーク…

わたしにうたプリを教えてくれた友人と2人で観た、はじめてのプリンス様たちの生の歌声。その時絶賛ハマっていた月明かりのDEARESTを生で聴ける日が来ようとは…

 

この日、私は声優さんの凄さを身をもって実感した。

前述した通り、私は全く声優さんの知識を持たずにうたの☆プリンスさまっ♪にハマったため、声優さんの仕事がどんなものかもわかっていなかった。どちらかというと芸能人というより、表には出てこない裏方に近いような、アーティストというより技術者のようなイメージを持っていた。

なので、プリライに行くまでは、プリンス様たちの声を担当している方とはいえ、ちゃんとそのキャラとして見られるのだろうか、パフォーマンスからそのキャラクターを感じられるのだろうか?という不安が少なからずあった。

 

しかしその不安はライブが始まってすぐに消えた、本当に凄かった。凄かったとしか言えなくて、当時の自分のツイートも語彙力が消失していた。(ひたすら下野紘さんと蒼井翔太さんへの感謝が綴られていた。)

確かにそこにST☆RISHがいて、QUARTET NIGHTがいた。いないのに、ちゃんと存在を感じた。アイドルがそこにいた。

困惑と驚きと感動と、うたプリの力の強さを実感した。声優さんの頑張りを肌で感じた。演じた数々のキャラクターの中の1人なのに、ここまでの愛を持って、同じ温度感で、クオリティを突き詰めてくれることに、涙が出た。

 

その後、ありがたいことにQUARTET NIGHTの単独1st、2nd、プリライ6thと現地で観ることができ、うたプリの進化を見届けることができた。

HE★VENSメットライフドームに登場したときのことは今でも鮮明に覚えている。7人になってから、たくさんの批判があった。どれほどの重圧を、HE★VENSと声優さん達に背負わせてしまったんだろうと泣きたくなる気持ちを抑えて、必死に声援を送った。

最後のMCで緑川さんが泣いているのを見て、感謝の言葉しか出てこなかった。 声優さんたちはもちろん、キャラクター達もずっと不安だったと思う。あのライブで、確かにHE★VENSへの風向きは変わった。

 

そして二回の単独公演を行ったQUARTET NIGHT。自ら上げたハードルを更に超えていく力。8人で作り上げるライブ。お互いが高め合える存在だと、パフォーマンスで示してくれる。QUARTET NIGHTに本気になれるのは世界にこの4人しかいないと言ってくれた森久保さんの言葉に、一生ついていきたいと思った。

 

忘れてはいけないのはST☆RISHの単独ファンミーティング、Welcome to ST☆RISH world!!

総選挙に狂っていた時代の自分を越えた枚数のウルトラブラストのCDが家に眠っている。もちろんファンミーティングに何としてでも行きたいという気持ちが強かったが、何よりあのST☆RISHが、こんな力強い曲も歌えるようになったのかという喜びが、この子達にもっと上を目指して欲しいという気持ちにさせた。

なぜ単独ライブじゃなかったのか、という人もいると思う。私も最初はそう思っていた。でも、メットライフドームで大はしゃぎでバラエティコーナーを楽しんでいるST☆RISHおじさん達(愛を込めてそう呼んでいます)の姿を見て、これこそがうたプリの力なんだなぁと思った。

 

私が二次元にハマった頃から、キャラクターほ中の人(声優さん)がライブをすることが当たり前の風潮になっていた。うたプリだけでなく、他のコンテンツも、後々ライブをすることを前提に人選しているのだなと思うことも多々あった。

正直、その風潮は声優さん達にとって重すぎるのではないかと感じる。なぜなら私たちファンはキャラクターが大好きで、個人差はあれど、そのキャラクターを声優さん越しに見てしまうからだ。その声優さんが何かミスをすれば、そのキャラクターにまで影響が及ぶ。

 

プリライという、キャラクターと声優さんが二人三脚で挑むライブでうたプリにハマった私は、ここまでの期待と重圧を声優さんにかけていいのだろうか、と悩んだときもある。

うたプリというコンテンツが大きくなれば大きくなるほど、期待が大きくなり、ファンと声優さん達の温度差が開いていっているのではないかと考えていた。

 

でもあのST☆RISHの単独ファンミーティングで、7人のとても楽しそうな姿を見ることができて、そんな心配はいらなかったと思った。この7人も、うたの☆プリンスさまっ♪が大好きな人たちで、ST☆RISHのことを本当に愛して演じてくれてる人達なんだな。ちゃんと楽しんでこの場にいてくれてるんだな、とあのバラエティコーナーで感じた。ファンと声優さんが同じ目線で楽しめるコンテンツでよかったなと。

ST☆RISHの7人のように、ファンの横に寄り添って一緒に前に進んでいく、そんなファンミーティングだったと今でも思う。

 

ここまで、ずっとライブでは声優さん越しにキャラクターを感じる、というスタンスでうたプリのライブは進化を続けてきたが、ついにキャラクターに会えるライブ、というものを今年、ST☆RISHが開催してくれた。

ST☆RISH SECRET PARTY

会いたいが叶う場所だった。会いたいと思って恋焦がれ続けていた7人が、そこで息をしていた。こちらを見ていてくれて、微笑んでいてくれていた。声援に応えてくれた。決してファンからの声援は一方通行じゃない。ちゃんと7人それぞれ受け止めて、返してくれる。そんな空間だった。

 

ここまででも私は十分すぎるほど、うたプリに夢を叶えてもらったと思う。

アイドルにとって夢は人それぞれで、生身のアイドルを応援していた時は、その子の夢を叶える過程として、アイドルであるその子の活動を応援する、という完全な第三者という立場だったので、叶えたいのは自分の夢というよりその子の夢だった。

でもうたプリにハマってからは、自分も夢を見る当事者になれたと思う。キャラクターにこんな歌を歌ってほしい、こんなライブをしてほしい、こんな衣装を着て、こんなMCをしてほしい。こんな場所で、いろんな仲間と歌を楽しんでほしい。形は違えど、うたの☆プリンスさまっ♪はたくさんその夢を叶えてくれた。

 

マジLOVEキングダムは、その夢の先にある、更なる挑戦だったと思う。最初はアニメシリーズの続きかと思っていた。でも、それはどうやら違うらしい、というのが公開が近づくにつれてわかってきた。

公開日初日、初めてマジLOVEキングダムを見た時、何が起こったのかわからなかった。完全なるライブが映画館で行われていた。あまりに驚き、感動してその日は全く涙が出なかった。ただただ興奮していた。

次の日、舞台挨拶夜公演のライブビューイングの後、2回目を見た。全く冷静には観られなかったけど、また夢が叶ったと実感した。夢が叶うのは一回だけじゃなく、何度でも夢が見れるんだと、うたプリは教えてくれた。私たちが送った声援以上の愛を、18人は私たちに返してくれた。最後に夜空を真剣な眼差しで見上げる翔くんの目が、私たちがアイドルを見つめる目そのものに思えた。私たちだけじゃなく、彼らの夢も叶う場所だった。

 

マジLOVEキングダムを通して、HE★VENSのことを褒めてくれる人がたくさん増えて、嬉しかった。敵ではなく、ちゃんとアイドルとして7人のパフォーマンスを見てくれることが、とても嬉しかった。彼らがいなければ、うたプリに生まれていなかったメロディーが絶対にある。ここからHE★VENSが新たに始まるのだと思う。

 

QUARTET NIGHTは努力すれば何度でも進化し、成長できることを教えてくれた。様々に形を変え、そのハーモニーを私たちに届けてくれた。これから先も、先陣を切っていくのはQUARTET NIGHTであって欲しい。

 

ST☆RISHの7人がいなければ、私はアイドルの良さというものに、本当の意味で気づかなかったと思う。アイドルとファンは一緒に成長していけること、夢を一緒に見られること。その夢は、正しい道を仲間と歩めばちゃんと叶うこと。

この7人が、永遠なんてない、だからこそこの今輝きたいと言ってくれた時、私は本当にこの7人が大好きだと思った。

二次元は私たちが好きでい続ける限り、半永久的にそのままでいられるのに、あえてうたプリは、ST☆RISHはその道を選ばず、成長と進化を選んでくれた。立ち止まらず、進むという選択を、ST☆RISHはしてくれた。それが嬉しかった。

 

昨日、アンコールでライブTシャツに着替えて音也が出てきた時、18人が出てきた時、あぁこれがわたしの思い描いていた最高の光景だと思った。自然と涙で前が見えなくなった。18人みんな怪我なくライブが終わるんだな、幸せだったなと思えた。

18人であの曲を最後にあの場所で歌うことに、抵抗がある人がいるのは承知のうえで、わたしは18人であの曲を歌ってくれたことに感謝したいと思う。

6人のST☆RISHでは始まり、愛島セシルを受け入れてくれたST☆RISHの6人と、ファンの人たちがいるから、わたしは今セシルくんを応援できている。QUARTET NIGHTを受け入れ、信じてくれた人たちのおかげで、新たな進化が生まれた。HE★VENSを影ながら支えてくれた人たちのおかげで、彼らはスタートラインに立てた。

古参ではない私がうたの☆プリンスさまっ♪に出会えたのは、変化を受け入れ、ついてきてくれたファンのおかげだと思う。

 

あの曲を18人で歌うのは、ST☆RISHへのリスペクトの意味が込められていると思う。そして、いつかST☆RISHがいなくなっても、この曲は永遠に残って、歌い継がれていくんだなと私は思った。世の中に、うたプリといえばこの曲なんだ!と認められた曲だと。それが、キスよりすごい音楽の意味だと私は考える。ST☆RISHが、七海春歌が伝えたかった音楽の力は、誕生から9年経った今でもしっかり私の心に届いている。

 

だから欲張りかもしれないけど、これから先もたくさんの夢を一緒に見させてほしい、出来るだけ長く彼らのそばにいたい。その為に私1人の力は小さいかもしれないけれど、自分なりにうたの☆プリンスさまっ♪を応援していこうと思う。いつも夢をありがとう、大好きです。